ねぇ、あなたは覚えてる?
ディオキアのホテルであたしがあなたのベッドに潜り込んだあの日。


 婚約者が久しぶりに会ったら、普通は――

「ラクスは…そんなことはしないッ」

 え、しないの…?…なんで?


少しだけ嬉しかったの。
ラクスさんのこと、本当は好きじゃないのかな、って。
そうだったら、あたしのこと好きになる可能性も、あるかなって。


でも、


ラクスさんのことが好きじゃなかったら、偽者あたしのことなんて
もっと好きになるはず、
ないのにね――



あたし、なんて愚かバカだったんだろう



アスランが、あたしのことをその優しい翠色で見つめていてくれたのは、
あたしがラクスさんだから。
ラクスさんと「同じ」だから、なのに―――。




それに、きっと、きっとちゃんと好きなはず。
だって、テレビで映ってる二人は、すっごくすっごく、




素敵だったから――



あたし、あたしね
アスランのこと、だいすき。だいすきよ。
でも、
アスランとラクスさんの2ショットもだいすき。
だって、本物の王子様とお姫様みたいなんだもの。

ずっとずっとずっと憧れてた。
アスランに
ラクスさんに―

二人がまた、微笑みあえる世界になると、いいなぁ

其処にあたしはいないけど
未練は、無いよ。

だって、ラクスさんに会えた。
アスランに、会えた。
いっぱい一緒に居られたもの。
昔のあたしじゃ、考えられないね。

しあわせだった。
とってもとっても、しあわせだったな



「ミーア…ッ!」



ああ、でも


ちょっとだけ、ちょっとだけワガママ言ってもいい?



「…ッ、ぐ…ぅ」



その涙はあたしの為のもの



あたし、最期はあなたを想ってた

あなたも、

最期には、


あたしのこと




―想ってて、欲しいな



































世 界 の 終 わ り に あ な た と 二 人 で  夢  を 見 る



































(06/01/06)