知ってる。知ってるの。 分かってる。分かってるの。 あたしはいつまで経っても「代わり」でしかないこと。 気付いてる。 理解してる。 ちゃんと、判ってる。 でも、仕方ないじゃない。 憧れていた貴方はあまりにも 優しくて格好良くて、強い人で。 好きなんて、いつ気付いたか分からない。 そのくらい、貴方はあたしの中で大きいんだもの。 「ミーア」 困った風に、でも優しく笑いかけてくれる翠の瞳は、 あまりにも残酷にあたしを映す。 ううん、映すんじゃない。 あたしを映しているんじゃないね。 きっと届かなかった想いを込めて、あたしに見ている。 それでいい。 それでいいの。 どうしたって、あたしを見てくれるのなら、それでいい。 「ミーア」 でも、じゃあ、なんで「ミーア」って呼ぶのかしら。 どうしてあの人の名前じゃないの? どうしてあたし自身の名前を呼ぶの? 優しさ?同情?それとも、――― 分かんない。分かんないよ。 貴方のこと、何も分からない。 これから知っていけるかな。 貴方は教えてくれるかな。 届かなかった想いと一緒に、あたしに教えてくれるかな。 そうしたらきっとあたしは、届かなかった想いを全部聴いて 届かなかった想いの分まで、受け止めてあげたいな。 なんちゃって。 この気持ちが叶わないことぐらい、知ってる。 届くはずない 届いて良いはず、ない 届 か な い と 知 り な が ら (06/01/24) |